ギフトを取り巻く環境の変化

百貨店のオンラインショップや、ギフト専門店のネットショップなどでは、お中元、お歳暮の時期になると、激しい商戦が交わされます。

「お世話になった人に、何を贈れば喜んでもらえるだろうか?」

と、思った場合に考えないといけないのは、ギフトを取り巻く環境の変化です。

ここでは、企業のコンプライアンス強化やコロナ禍など、新たな動きを踏まえたお歳暮の贈り方を載せます。

経費削減・コンプラ 廃止相次ぐ

最近、企業の世界では、、様々な理由から取引先との贈答のやり取りを自粛・禁止する動きが相次いでいます。

その2例として、

  1. トヨタ自動車の取引先でつくる2団体が、会員各社に対しトヨタ役員らへのお中元やお歳暮の自粛を求めていました。トヨタからの申し出と経費削減を踏まえた対応です。
  2. 鹿児島市の南日本銀行は、お中元・お歳暮の廃止をしました。理由は、形式的な無用の儀礼をやめる「虚礼廃止」です。

を挙げられます。

民間同士での贈答のやり取りは、長年のビジネス慣行となってきました。

利害関係者からの金品受け取りを法律で禁じられている公務員と異なり、お中元、お歳暮シーズンに、重役宅に宅配便がひっきりなしに届く光景は昔は見慣れた光景でした。

しかしながら、バブル後の景気低迷の中、企業各社では経費節減にくわえ、コンプライアンスも求められるようになり、お中元、お歳暮をはじめとする贈り物は、相手とので癒着を招きかわないとする考えが広まり、贈答を控える企業は増えていきました。

明治からある「贈答廃止論」

「虚礼廃止」の取り組みは、故・伊藤斡治(国立民族学博物館の教授)の「贈答の日本文化」によりますと、明治20(1887)年に知識人らの呼びかけで「贈答廃止会」を結成されました。

板垣退助らが「風俗改良会」を組織し、「物品贈答の廃止」明治後期に訴えました。

1947年に政府主導で生活改善運動がスタートし、1955年から「新生活運動」として全国展開し、形式的な贈答の廃止が呼びかけられました。

しかしながら、お中元やお歳暮はこれまで続いてきました。

なぜでしょうか?

「贈答の日本文化」によりますと、日本の贈答は『義理』という社会規範と固く結びついているから」とのことです。

長い時間をかけて日本社会に根付いてきた・・・、

「受けた恩は返すのが当然。」という考え方のもとにお中元やお歳暮が続いてきたとのことです。

相次ぐ企業各社の贈答廃止は、「義理」を重んじ、縛られてきた日本社会が変化しつつある表れなのかもしれません。

お中元やお歳暮には問題がある?


行き過ぎた見返りを求めて、過剰に贈ると問題となり得ますが、相手と良い関係を築こうとするは、ビジネスでは当然のことです。

贈る側として、贈答によって取引をゆがめてしまう可能性があることを意識し、受ける側も過剰に受け取ると合理的な判断ができなくなる恐れがあることを注意すべきです。

受ける側の正しい姿勢は?

公務員でも、例えば、国立大学の教授等は「みなし公務員」として、収賄罪の適用がありますので、「公務員でなければ大丈夫。」と思わないようにしましょう。

民間会社でも、不当な便宜を図り、会社に損害を与えた場合は背任罪などの犯罪が成立ずる可能性があります。

民事上の賠償責任を負う羽目になるかもしれません。

気お付けましょう。

お中元やお歳暮はやめたほうが良い?

全面禁止も一つの考え方ですが、ビジネスチャンスを失う恐れもあります。

隠れてルール違反が横行するかもしれません。

最大の問題は、「過剰」であるかとうかです。

以下のような透明化を図ることが現実的な対応です。

  • 一定額を超える贈答は申請・報告を義務づけるなど、社内規約を定める。
  • 社内ルールがあると、高額な贈り物をお断る言い訳にも使えます。

「過剰」にならないのは、どの程度まで?

適切にやり取りすれば、ギフトはビジネスの潤滑油となり得ますが、相手の立場や取引の規模で、適切か過剰になるかは違います。

  • 大富豪とビッグビジネスをしたいのなら、それなりの金額はかかるでしょう。
  • また、国際化が進む時代では、相手方のルールも確認しておくべきです。「常識の範囲内」と思っていても、先方には過剰に映ることもあります
  • 文章内容参照:朝日新聞2022年11月28日(月)「bizカレッジ」を参考に大幅に書き直しました。

帰省の代わり「帰歳暮(きせいぼ)」

お歳暮の世界では、コロナ禍が始まった一昨年の暮れから、帰省する代わりにお歳暮を贈る「帰歳暮(帰省暮)」という造語が一気に広まりました。

帰歳暮は、「今は会えないけれど大切な人」に向けて、今年一年お世話になった感謝の気持ちを込めて贈ります。

お歳暮といえば、詰め合わせのハムや缶ビール、食用油、洗剤などが長く定番とされてきましたが、届いた後で会話がはずむきっかけになる商品が、選ばれる傾向が目立ちます。

ここ数年のお歳暮の人気商品は、中身を小袋に分けた個別包装のスイーツが売れ筋の一つになっています。

コロナ禍を背景に「衛生的」だとして、また、「万人受けする」「日持ちする」のが人気の秘訣です。

加えて、コロナ禍の影響で、高級な冷凍食品やレトルト食品の売れ行きが好調と見られています。

一方、ここ数年はふだんの買い物で、包装の簡素化や資源再利用など「環境への配慮」が、当然のように配慮されるようになってきました。

三越も、ギフトなどに際しては包装紙で包み込まない「エコ包装」を選べるように用意しています。

「エコ包装」も「華ひらく」と名づけられたデザインの包み紙の簡易版です。

薄れゆく儀礼色 定番より個性

個人需要ギフト全体は堅調

矢野経済研究所(調査会社)は2022年のお中元の市場規模を6700億円、お歳暮の市場規模を8430億円、2021年(見込み)比で、お中元、お歳暮共に3.0%減と予測しています。

一方、1年を通して、お中元やお歳暮などを含めた、2022年のギフト全体の市場規模については、2021年(見込み)比0.9%増の10兆1980億円と予測しています。

ギフト全体の市場が堅調な理由として矢野経済研究所は、「誕生日」や「母の日」といった、親しい相手に個人として贈る「カジュアルギフト」の拡大を挙げてます。

更に、気軽に会えないコロナ禍の中で、中元や歳暮などのフォーマルギフトでなく、個人同士がプレゼン卜を贈りし合うことが見直され、コロナ収束後にさらに拡大へ向かうとみています。

2022年以降の動向は、新型コロナウィルスの収束がいつになるかによって大きく左右される。だが、これまで新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けつつも、様々な記念日やイベントにおいてコミュニケーション手段となっているギフトは、その収束に向けて人が集まることで需要が生まれ、市場規模は拡大へ向かうものと予測する。一方、ライフスタイルの多様化、儀礼や人付き合いに対する志向変化とコロナ禍での影響を受けてより規模縮小が進んだフォーマルギフト市場も、新型コロナウィルス収束の際には反動増が起きるものと予測する。

お中元やお歳暮は、どのようにして「特別なギフト」になった?

お中元やお歳暮、最近では、サマーギフト、ウインターギフトや、誕生祝、内祝いなどなど、現代では、当たり前のように見える贈答品の風景は、昔からあったものでも固定されたものでもありません。

デパートなど企業のマーケティング戦略や、マスメディアなどの働きかけが人々の消費行動に影響を与え互いに関わり合いながら消費文化として形成されてきたものなのです。

その例として、戦後の朝日新聞に掲載された三越の「お中元」広告を掲げられます。

  • 1950年代には「三種の神器」と言われた洗濯機、冷蔵庫、白黒テレビがギフトに提案されました。
  • 1960年代には「ゆたかな暮らし」といったキャッチフレーズが使われました。
  • その後、「まごころ」 「こころ」から「洗練」「本物」とし上こ表現へ変化しました。
  • バブル期にはブランド品も登場しました。

近年のギフトの変化

お中元やお歳暮などの儀礼ギフトは法人需要と個人需要の2本立てが続いてきました。

しかし、2000年ごろから個人需要に重きを置くようになりました。

さらに、自分へのご褒美という「自分需要」も加わりました。

インターネットの急速な普及もあって、SNSやインスタ映えなどエンターテインメントの要素も新たに追加されるようになりました。

ギフトに対する儀礼的な堅苦しいイメージが徐々に薄れてきたのです。

お歳暮は、これからどうなっていく?

昔は、ハムの詰め合わせなど、「定番」がよく推奨されていましたが、最近はより贈り手のセンスやこだわりに沿った個性的な商品が提案されています。

ギフトは自己PRの機会にもなっているのです。

  • 文章内容参照:
  • 「お中元やお歳暮は、どのようにして「特別なギフト」になった?」の文章内容参照:「お中元」の文化とマーケティングの著者、神戸学院大学の島永 嵩子教授による。
  • 朝日新聞2022年11月13日(日)「bizカレッジ」を参考に大幅に書き直しました。

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